モフ・ターキン2
Moff Tarkin
デス・スターがなかった頃の帝国軍はそれほど力があるとは言い難かったが、それでも銀河を震撼させる恐ろしさは十分に備えて
いた。しかし、その一方でターキン自身は不満だったのである。デス・スターの建設は彼の決断と策略によって行われ、自らがその最
高司令官となったのもひとえに彼の軍事的才能によるものだった。彼にとってデス・スターは破壊と恐怖をもたらすための超兵
器であり、オルデランが帝国と皇帝の権威を安泰とさせるための見せしめとなったのも彼の決断によるものだったのである。
実際にデス・スターによる強大な軍事力を背景にターキンが皇帝に匹敵する力を得ることになったのも事実だった。皇帝の側近として
グランド・モフの地位をつかんだ彼は、次第に次の皇帝の座を狙うようになったのである。モッティ提督も彼に強くクーデターを促してい
た者の1人だった。そして、このことを察知した皇帝は彼への監視役としてダース・ヴェイダーをデス・スター作戦に加えていたのである。
一方で、ターキンは戦いの最中でも元老院議会の席でもただならぬ雰囲気を漂わせる興味深い男だった。彼のカリスマと存在感にはダー
ス・ヴェイダーの鉄の意志さえ揺れ動かすものがあったのは疑いようのない事実であり、多くの側近をヴェイダーのフォースによる死の裁
きから救っていたことさえもあったのである。
モッティ提督やタッグ将軍を始めとするターキンのデス・スター作戦補佐官の顔ぶれは、帝国内でも並ぶものが無いほど凶悪なものだった。
それゆえ、これだけの帝国の有能な軍人を都合よく一掃できたことは、同盟軍にとって願ってもない幸運だったのである。ヤヴ
ィンの戦いにおけるデス・スターの崩壊は、辺境の帝国軍を官僚主義的な混沌へと導いた。ターキンに反対していた勢力がその権威を奪
回するという壮大な野望を抱いていた一方で、残された彼の部下たちは指導者のない空白の時代の中で残存勢力の奪い合いを
余儀なくされていたのである。そして、この内部闘争は結果的に同盟軍にヤヴィンから撤退させる時間を与えてしまうことになった。
ターキンは視野に富み、冷酷さと権力を兼ね備えた優秀な軍人であり、彼の思想は新秩序の形成と銀河への浸透に大いに役立って
いた。しかし、邪悪の天才とも言われた彼の死によって銀河はつかの間の平穏を得ることができたが、帝国と皇帝にとっては
決して致命傷ではなかったのも事実だった。後に皇帝が滅んでからも天才的な軍指導者の出現によって銀河の平和が脅かされた
のはスローン大提督の例を見ても明らかである。
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